ジャズに限らず音楽が好きな方は車に乗っている時、ステレオで音楽を楽しんでいる場合が多いだろう。御多分に漏れず私も運転中は良くジャズを聴いている。
ある日、妻と車で出かけていた時である。私はArt Farmerの後期の名盤『Soul Eyes』を聴いていて、「やっぱりファーマーの音は良いなぁ~」と独り言った。すると妻が「良く区別つくねー。私はさっき聴いてたアルバムの音と大きな違いとか分かんないや」と言った。私は大変仰天した。ファーマーの前に聴いていたのはFreddie Hubbardの『Sky Dive』だったからだ。
「ファーマーとハバード、しかもCTI時代の音って全然違うやん!」と心の中で叫んだが、そりゃジャズを聴いている人間では無ければそんなものなのだろう。というのも、私はスポーツにまるで興味が持てない人間で、広島出身の妻が広島東洋カープの試合ダイジェストを見ている時に同じ感想を抱いていたからである。選手ごとのフォームとか球種とか球速とか何度説明されてもさっぱりである。妻視点からすれば「なんで違いが分かんないの?」と内心思われているだろう。
そしてふと思ったのだが、トランペットのプレイヤーごとの音色の違いが判らない一般の方が、あえて良いと思うトランペットの音はどれなのか、と。違いが判らないのならば、何となくのフィーリングで選んでもらおうという事である。
今回、一般人代表として家族に協力してもらった。サンプルは妻、姉、母、父である。尚、父は偶にジャズを聴いたりもするのだが、基本的にジャズギターしか聴かないので、トランペットについては一般人とカウントした。
音のサンプルとして、個人的に音色が特徴的だと思う以下の9名の偉大なトランぺッターを選んだ。
エントリーNo.1:Miles Davis
Coolな音色の極北。長いキャリアでプレイイングスタイルのバンドは大きいが、今回は一般的に人気の高いプレスティッジ期からチョイス。
エントリーNo.2:Lee Morgan
ハードバップでBrightなサウンドと言えばこの人だろう。特にArt Blakey JJM在籍時代は登竜門を駆け昇る鯉の如きサウンド。
エントリーNo.3:Blue Mitchell
Horace Silverクインテットの名フロントゆえに泥臭いアーシーなサウンドと思われがちだが、彼の音だけに着目すると結構Cool寄りなサウンドだと思う。
エントリーNo.4:Clifford Brown
BrightかつBrilliantな音色。トランペットの"華やかさ"を体現したようなプレイはとにかく聴いていて楽しい。
エントリーNo.5:Kenny Dorham
日本では"いぶし銀"などと形容されることが多いが、ステージによっては驚くべきホットな演奏も見せる。しかしどこか影が付きまとう音色が魅力。
エントリーNo.6:Freddie Hubbard
L.Morganと同じく縦横無尽に飛び回る派手なプレーが多いが、彼よりややDarkかつWarmなサウンドに思える。有体に言えば不良っぽい。
エントリーNo.7:Art Farmer
リーダーで活躍したというより、名バイプレイヤーという印象が強いのではないか。ステージによって変幻自在に音色を変える。私はリーダー作品でのWarmなサウンドの彼が好きである。
エントリーNo.8:Charlie Porter
現在のイギリスを代表するジャズトランぺッター。WarmかつDarkな音色とモダンな楽曲、クラシック奏者とも見間違える超絶技巧。伝統を現代にアップデートする姿勢がステキ。
エントリーNo.9:Avishai Cohen
イスラエル・ジャズシーンを牽引するトランぺッター。同名の著名なベーシストがいるのでややこしい。個人的にはDarkかつCoolなサウンドの頂点。
個々の音色を独断と偏見でチャート図に分布するとこの様な感じだろうか。
検証方法は、上記の各プレイヤーのほぼ同一ミディアムテンポのスタンダードナンバーの演奏をランダムに15秒前後ずつ聴いてもらい、順位を付けてもらう。1位:3点、2位:2点、3位:1点として集計する。
尚、サンプル数は多い方が検証の信頼度が高くなりますので、検証に協力いただける方はFacebookでメッセージor記事にコメントください。検証用の音楽ファイルをお送りします。演奏時間約2分間くらいで終わる簡単な検証です。来週の土曜日までに結果を連絡頂けると有難いです。
検証結果は次週!
今後の演奏予定
7/27(土) 18:30 Open、19:00 Start (2stage制)
西珈琲骨 Jazz Live 2019
場所:丸亀駅構内 駅カフェステーション
ミュージックチャージ:1,500円+1ドリンク)
西讃を中心に活動するジャズバンド、西珈琲骨のライブです。
普段はボサやファンク色の強いバンドですが、今回はかなりストレートなハードバップ中心の演奏をお届けできると思います。
8/11(日) 19:00~
お盆だヨ!同級生全員集合~
場所:高松 Nashville
シカゴバンドで高松のライブハウス「Nashville」で演奏します。2バンドの対バン形式。
今回はChicagoのナンバーをメドレー形式でお届けすることになりそうです。
8/17(土) 19:00~
瓦町Dining Turtlesセッション
場所:香川県高松市瓦町2-2-22
参加費:1,000円
フレンチレストラン「Turtles」さんでの月例セッションでホストを務めます。
初心者大歓迎のセッションなのでお気軽に遊びに来て下さいね!
8/31(土) 18:00 Open、19:00 Start
Bop Renaissance ライブ(詳細はフライヤーのページにて)
場所:瓦町Dining Turtles 香川県高松市瓦町2-2-22
ミュージックチャージ:1,500円 (学生1,000円)+1オーダー
50~60年代のストレートアヘッドなバップ期のジャズを愛するメンバーが集まり結成されたモダンジャズバンド。
今回はケニー・ドーハム特集ということで名盤『静かなるケニー』から中心に名曲をピックアップしてお送りします。
ジャズの初心者の方でも楽しめるであろう工夫を用意していますので、ジャズを余り聴いたことが無いという方もお気軽に是非お越しください。
9/7(土) 21:00 頃予定
soundbar OCHO 開店アニバーサリーライブ
場所:soundbar OCHO 香川県丸亀市通町52−1 通町ビル2F
ミュージックチャージ:未定
西珈琲骨として、soundbar OCHOさんの記念ライブに1バンドとして出演します。
詳細は決まり次第、追記します。
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