お盆である。今週末まではお盆休みという方も多いのではないか。
今年のお盆休みは妻の両親の実家、つまり祖父母の家へ帰省した。その祖父母の家であるが、端的に申し上げると田舎である。私が今まで訪れた地方で最も田舎らしいと言っても良いかも知れない。ある県の最南端に位置し、人口200人前後の穏やかな島である。
私は計丸三日滞在したのだが、家の鍵など当然の如く掛かってないし、島の住民の方が度々自由気ままに家に入ってくるし(お喋りする為)、中々驚きが詰まった休日だった。田舎の滞在というと、良く「時間が止まった様な」と説明されることが多いが、正確には「時間が無為自然に流れる様な」という感覚だったように思う。
そんな島もお盆の時期はかなり人が帰ってくるらしく、毎年行われている盆踊りには大勢の子どもや若者も加わり、その日は賑やかな一夜だった。
実は私は盆踊りという風習を生の目で見たのはこれが初めてでした。出身の大阪府の街祭りでも一応盆踊りはあったのだが、音楽は『アラレちゃん音頭』で、踊る理由も死者を弔うためというより、お祭りに付属した出し物というイメージが強かった。その盆踊りは音楽も島の決められた人の生唄で、初盆となる方の遺影を所定の位置に収めてから踊りが行われるというものだったので、何とも「ああ、これが所謂伝統的な盆踊りなのだな」と大変新鮮に思った。
で、その音楽のリズムが大変面白かった。古来西洋の文化が導入される前まで、土着の宗教観に基づく人類のリズムは一般的に二拍子が多いと知り合いから教えてもらったことがある。それは単純に二拍子が踊りのリズムの基本であるからだ。
その後多分に漏れず、今回観た盆踊りのリズムも二拍子だったのだが、小節数がとても奇妙で、基本の唄が10小節+(ヨイヨイという)合いの手が1小節、更に基本の唄が7小節、レスポンスとなる合いの手の唄が3小節という、なんとも奇妙な小節単位だった。しかもそれでいて誰も踊り難そうな気配は無いし、聴いていても自然なのだ。これは凄いと思った。
土着の民族音楽から西洋音楽への導入という試みは、古くはストラヴィンスキー、ジャズでもマイルスが行っているけれども、やっぱり聴いていて人を魅了する要素があるのだろう。そういう変則的なリズム、拍子、小節単位の曲も偶には聴いてみたり、作ってみたりしたいなと思ったお盆休みだった。
因みには私はレバノン出身で、ルーツとなるアラビックなサウンドを多数発表しているトランぺッター、Ibrahim Maalouf(イブラヒム・マーロフ)が大層好きである。
今後の演奏予定
8/17(土) 19:00~
瓦町Dining Turtlesセッション
場所:香川県高松市瓦町2-2-22
参加費:1,000円
フレンチレストラン「Turtles」さんでの月例セッションでホストを務めます。
初心者大歓迎のセッションなのでお気軽に遊びに来て下さいね!
8/31(土) 18:00 Open、19:00 Start
Bop Renaissance ライブ(詳細はフライヤーのページにて)
場所:瓦町Dining Turtles 香川県高松市瓦町2-2-22
ミュージックチャージ:1,500円 (学生1,000円)+1オーダー
50~60年代のストレートアヘッドなバップ期のジャズを愛するメンバーが集まり結成されたモダンジャズバンド。
今回はケニー・ドーハム特集ということで名盤『静かなるケニー』から中心に名曲をピックアップしてお送りします。
ジャズの初心者の方でも楽しめるであろう工夫を用意していますので、ジャズを余り聴いたことが無いという方もお気軽に是非お越しください。
9/7(土) 21:00 頃予定
soundbar OCHO 開店アニバーサリーライブ
場所:soundbar OCHO 香川県丸亀市通町52−1 通町ビル2F
ミュージックチャージ:未定
西珈琲骨として、soundbar OCHOさんの記念ライブに1バンドとして出演します。
詳細は決まり次第、追記します。
11/24(日) 時間未定
第14回丸亀ジャズストリート
場所:丸亀駅前各地
ミュージックチャージ:未定
BOP RENAISSANCEと西珈琲骨で出演します。詳細は決まり次第、追記します。
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