ジャズと禅は似ているのではないか問題③

前回まで「仏教は矛盾を前提とした教義ですよ」と説明してきた。ついに禅である。

禅は達磨(だるま)が始祖とよく言われる。日本では何といっても置物の達磨として誰でも知っている。彼について正確に言うならば中国の禅宗の始祖である。彼自身はインドの修行僧で、布教のために中国へ渡り、そこで禅宗を広めたという訳だ。禅宗はその後、第六代の祖である慧能に引き継がれたが、彼は無学の田舎者だったため、他の禅師から妬みや恨みを持たれたため中国の南に逃げ、そこで禅を布教する。これが南宗の起こりである。彼が率いた南宗は日本に持ち帰られ有名どころでは臨済宗・曹洞宗・黄檗宗に発展していくのだが、慧能を追い出した側は、北宗として布教に励むが結局絶えてしまった。

さて、ざっと禅の日本伝来までの歴史を述べたが、禅にも矛盾の思考は脈々と受け継がれている。禅は悟りを目指す宗教であることは他の仏教と同じ(厳密には悟りはゴールでは無いのだが面倒くさいのでここではそうしておく)であるが、その悟るまでのプロセスが面白い。

例えば臨済宗は悟るために公案という手法を用いる。これはいわゆる"とんち"である。とんちが得意な坊主アニメとして有名な一休さんは実は臨済宗の実在の禅師をモデルにしているのだ。公案は普通に考えても、論理的にいくら考えても答えが出ない問題を提示されることで、頭の中がクリアになる。その体感を基に悟りを開こうとする訳である。有名どころの公案だと「隻手の声(せきしゅのこえ)」がある。「両手を打ち合わせるとパンッと音がするが、片手だとどんな音がするか」という問いかけである。そんな無茶なと言いたくなるだろう。片手だと打ち合わせられないのだから、無理に決まっている。でもその問いかけを初めて聞いたとき、人は意味が分からず頭が無の状態になる、という訳だ。矛盾で悟りの境地に至ろうとしているのだ。

(長くなったので続きます。次が最後!)


今後の演奏予定

4/18(土) 19:00~
瓦町Dining Turtlesセッション
場所:香川県高松市瓦町2-2-22
参加費:1,000円
フレンチレストラン「Turtles」さんでの月例セッションでホストを務めます。
初心者大歓迎のセッションなのでお気軽に遊びに来て下さいね!

⇒新型コロナウイルスの影響により中止となりました。申し訳ございません。


4月25日(土) 18:30開場 19:00開演
西珈琲骨 丸亀港Garage Bar OCEANS'11 Live
ミュージックチャージ:1,500円(ワンドリンク付き)
場所:香川県丸亀市港町307-8 藤澤倉庫
西珈琲骨として、丸亀港のGarage Bar OCEANS'11さんでのライブです。今回はピアノが入り6人(セクステット)編成でお届けします。

⇒新型コロナウイルスの影響により中止となりました。申し訳ございません。


5月5日(祝)
Music Blue Fes
場所:高松駅前周辺
毎年開催されている高松駅前を中心とした音楽イベントですが、今年もポプシーズの一員として参加します。詳細は分かり次第更新します。

⇒新型コロナウイルスの影響により中止となりました。申し訳ございません。


6/6(土) 18:00開場 19:00開演
BOP RENAISSANCE ライブ
場所:科学と音楽 アインシュタインのグァルネリ
   香川県高松市丸亀町4-12 1階 
ミュージックチャージ:2,000円 (学生1,500円)+1オーダー
50~60年代のストレートアヘッドなバップ期のジャズを愛するメンバーが集まり結成されたモダンジャズバンド。
今回は50~60年代数々の名盤にバイプレイヤーとして参加し、自身もJazztetなどのグループリーダーとして活躍した「アート・ファーマー」にトリビュートしたライブを行います。


この世は成り行き任せ~主にジャズに関する思考の残渣

香川県を中心に活動しているアマチュアトランぺッターが谷野穣がジャズに関してアレコレ書き散らします。

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