2020年のオリンピックの開催地が東京に決まってから早5年が経過した。新型コロナウイルスの影響により開催が延期するまで、ここ数年のテレビの朝のニュースはオリンピックに向けた特集一色だ。やはりそれだけオリンピック関連の特集が数字を取れるということなのだろうが、逆に他の部分は必然的に削られている訳で、殊に国際関係のニュースは滅多に知ることが出来ないので、数年前から朝のニュース番組を観るのは止めた。私は代わりにCNNニュースとBBCニュースを日常的に観る様にしている。特にBBCニュースは最近になって日本語ページが出来たので、英語が不得意の方にもお勧めします。
で、本題なのだが、率直に言って日本は「芸術軽視、運動重視国」なのではないか、ということだ。
いや、運動が悪いと言っているのではないが、社会全体にバイアスがある気がする。先に挙げたテレビの例を取ってみても、毎日の様にスポーツに関する特集・番組の数に比して、芸術に関するそれは数える程度しかない。最近子育てのためにEテレ(NHK教育)を頻繁に観る様になって改めた感じたのだが、芸術や科学に力を入れているのはNHK一強で、民放は殆ど壊滅的と言って良い。民放の夜の9時からは映画を放送する枠だった頃が懐かしい。
何故、日本がこの様な状況かと真面目に考えてみたのだが、結局は“カネ”という点に尽きるのではないでしょうか。
低迷が続く日本経済を前にして、政府としてはオリンピックを「日本経済に利するイベント」と見做していることを疑う人は、まあいないでしょう。"オリンピックは金を生み出す"。これは純然たる事実です。オリンピックを開催すれば放映権は高値で取引され、大会に向けて公共事業が活発になり一時的な雇用を生み出し、海外からのインバウンド消費を期待できる。
1969年の歴史的な音楽イベント、「ウッドストック・コンサート」は平和を希求するヒッピームーブメントの一部として開催された。近代オリンピックも元々は平和な社会の推進を理念に掲げられているものの、現状は言うに及ばすである。
芸術軽視、運動重視の今現在の状況を是正してほしいとは思うものの、カネ・カネ・カネの音楽イベントになるくらいなら、やらずとも結構、と思う今日この頃なのでした。
今後の演奏予定
新型コロナウイルスの影響により現在のところございません。
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